⑨PSA・ARS以外の鑑定会社は?BGS・CGC・Gemix・VSSを解説
遊戯王の鑑定品というと、国内ではPSAやARSを目にする機会が多いと思います。
しかし、メルカリなどを見ていると「BGS」「CGC」「Gemix」「VSS」と書かれた、PSA・ARSとは異なるホルダーに入った遊戯王カードを見かけることがあります。
当然ながら、鑑定会社が違えば評価基準や最高評価、ホルダー、鑑定料金なども同じではありません。
この記事では、PSA・ARS以外で国内でも遊戯王鑑定品を確認できるBGS・CGC・Gemix・VSSについて、それぞれの特徴を紹介します。
- BGSとはどのような鑑定会社なのか
- CGCとはどのような鑑定会社なのか
- 国内鑑定のGemix・VSSにはどのような特徴があるのか
- 各社の最高評価は何なのか
- センタリングやAI利用など、鑑定方法にはどのような違いがあるのか
- PSA・ARSを含めた6社の鑑定料金や国内流通度の違い
鑑定会社が違えば「10」の意味も違う
最初に知っておきたいのが、鑑定会社ごとに独自の評価基準が設定されていることです。
例えばPSAの最高評価はPSA10です。PSA10ではセンタリングも評価対象となります。
一方、ARSでは印刷ズレやセンタリングを減点対象としておらず、最高評価としてARS10+があります。
「PSA10だからARS10より上」「BGS10だからPSA10より上」といった単純な比較はできません。同じ「10」でも、どの鑑定会社がどの基準で評価したのかまで確認する必要があります。
BGS(Beckett Grading Services)
BGSは、アメリカのBeckett Grading Servicesが提供する鑑定サービスです。1999年に開始され、PSAと並んで長い歴史を持つ海外鑑定サービスの一つです。
BGSの大きな特徴は、カードを次の4項目で評価するサブグレードです。
- センタリング
- コーナー
- エッジ
- 表面
例えば最終評価がBGS9.5であっても、各項目がどのように評価されたのかを確認できるため、「なぜこのグレードになったのか」をある程度把握しやすくなっています。
さらにBGSには、すべてのサブグレードで10を獲得したカードに与えられるBlack Labelがあります。
4項目のサブグレードとBlack Labelの存在です。カード全体の数字だけでなく、コーナー・エッジ・表面・センタリングのどこが高く、どこが低く評価されたのかを確認できる点が大きな特徴です。
CGC Cards
CGC Cardsもアメリカを拠点とする鑑定サービスです。
現在のCGCでは、通常のGem Mint 10よりさらに上にPristine 10が設定されています。
CGCで特徴的なのが、鑑定工程にテクノロジーを積極的に取り入れている点です。AIはカードの特定やセンタリング測定などの補助に利用されています。また、改変・偽造の検出には、UV・赤外線、超高倍率検査、インクや紙の非破壊分析などのフォレンジック技術も利用されています。
AIだけでグレードを決定しているという意味ではなく、CGCの鑑定士を支援する技術として利用されています。
以前はサブグレードも提供されていましたが、現在のCGC Cardsではサブグレードを提供していません。
Pristine 10という最高評価に加え、AIや各種測定技術を人による鑑定と組み合わせている点です。鑑定後のカード画像を公式サイト上で確認できることも特徴です。
Gemix
Gemixは日本国内でサービスが完結するトレーディングカード鑑定サービスです。
遊戯王OCGだけでなく、遊戯王ラッシュデュエルも鑑定対象となっています。
Gemixでは、次の4項目を評価します。
- コーナー
- エッジ
- 表面
- センタリング
特徴的なのが最高評価の分け方です。通常の「10」に加えて、10 Goldと10 Blackが存在します。
- 10:4項目のうち2項目が10、残り2項目が9.5
- 10 Gold:3項目が10、残り1項目が9.5
- 10 Black:4項目すべてが10
もう一つの大きな特徴が「Grading Report」です。12種類以上の欠陥コードやカード表裏の高解像度画像などを使い、どの部分がどのように評価されたのかを確認できます。
詳細なGrading Reportです。単に結果だけを見るのではなく、カードのどの部分にどのような欠点が確認されたのかまで調べやすい仕組みになっています。
VSS鑑定(VALUE SCOUTER SERVICE)
VSS鑑定は、株式会社コレクテストが提供する国内鑑定サービスです。
VSSではAIによる画像認証と専門スタッフによる鑑定を組み合わせています。
最高評価は10+です。10+、10、9.5、9、8.5……と0.5刻みで評価され、センタリングもグレードごとに基準が設定されています。
VSSで特に目立つのがホルダーです。日本製のアクリルホルダーを使用し、公式にはUVカット率97%以上とされています。
AIによる真贋判定、国内完結型のサービス、UVカット率97%以上のアクリルホルダー、鑑定品の価格情報を確認できる仕組みを組み合わせている点です。
国内での流通量にはかなり差がある
鑑定会社が存在していても、日本国内でその鑑定品がほとんど売買されていなければ、購入や売却を考える際には少し事情が変わります。
本記事では、国内流通度についてメルカリにおける遊戯王鑑定品の出品状況を参考にしています。
PSAの遊戯王鑑定品は非常に多く確認でき、ARSについても多数の遊戯王鑑定品を確認できます。一方、BGS、CGC、Gemix、VSSについても遊戯王鑑定品そのものは確認できますが、PSA・ARSほど頻繁には見かけません。
ここでの「国内流通度」は、日本国内すべての取引件数や市場シェアを表すものではありません。メルカリで実際の遊戯王鑑定品をどの程度見つけやすいかを基準とした相対的な目安です。
PSA・ARS・BGS・CGC・Gemix・VSS比較表
鑑定会社ごとの主な違いを一覧で整理します。
鑑定料金は受付プランや申告価格によって変わる場合があります。実際に依頼する場合は、各社公式サイトで最新料金を確認してください。
| 項目 | PSA | ARS | BGS | CGC | Gemix | VSS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 拠点 | 米国/日本拠点あり | 日本 | 米国 | 米国 | 日本 | 日本 |
| 評価スケール | 1~10 | 1~10+/AU | 1~10 | 1~10 | 1~10+10 Gold/10 Black | 1~10+ |
| 最高評価 | PSA10 | ARS10+ | Pristine 10 Black Label | Pristine 10 | 10 Black | 10+ |
| 0.5評価 | あり(非常に稀/9.5はなし) | なし | あり | あり | 4項目ではあり/最終数値は整数 | あり |
| センタリング評価 | あり | 減点対象外 | あり | あり | あり | あり |
| AI利用 | あり・人の鑑定を支援 | 公式で明示確認できず | 公式で明示確認できず | あり・鑑定士を支援 | あり・認定鑑定士+AI | あり・AI+専門スタッフ |
| 鑑定レポート等 | Cert Verification等 | 鑑定書を発行可能 | 4項目サブグレード | 鑑定画像・Cert確認 | 詳細Grading Report | 鑑定証・価格情報 |
| ホルダーの特徴 | 透明ホルダー | 重厚感のある専用ホルダー | インナースリーブ+透明ホルダー | 高透明度ホルダー | 日本製・ステンレスラベル | 日本製アクリルホルダー |
| UVカット | 50% | ホルダー単体の具体値は確認できず | 具体値は確認できず | 具体値は確認できず | 具体値は確認できず | 97%以上 |
| 日本からの依頼 | 国内受付あり | 国内完結 | 海外受付 | 国内Official Submission Centerあり | 国内完結 | 国内完結 |
| 鑑定料の目安 | 受付中プランは11,980円~ | 3,850円~ | 受付中プランは$79.95~ | $17~(Bulk・25枚以上) | 3,500円~(条件あり) | 3,278円~ |
| 国内流通度 | 非常に多い | 多い | 少ない | 少ない | 少ない | 非常に少ない |
| 強み | 国内外で非常に多く流通 | センタリングを減点せず、独自ホルダーと10+ | 4項目サブグレードとBlack Label | Pristine 10とAI等の技術活用 | 詳細なGrading Reportと10 Black | AI真贋判定、97%以上UVカット、価格情報 |
※鑑定料金・受付条件は変更される場合があります。国内流通度はメルカリにおける遊戯王鑑定品の確認しやすさを基準とした相対評価であり、国内市場全体のシェアを示すものではありません。
PSA・ARS以外にも特徴の異なる鑑定会社がある
- BGSは4項目のサブグレードとBlack Labelが特徴
- CGCはPristine 10やAIを利用した鑑定補助が特徴
- Gemixは詳細なGrading Reportと10 Blackが特徴
- VSSはAI画像認証やUVカット率97%以上のアクリルホルダーが特徴
- 同じ「10」でも、鑑定会社によって評価基準や最高評価は異なる
- 鑑定品を購入するときは、グレードだけでなく国内流通度や取引価格も確認する
「どの会社が一番優れているか」を一つの順位で決めるよりも、何を重視している鑑定会社なのかを確認した方が分かりやすいと思います。
見慣れない鑑定品を見つけたときは、その会社がどのような基準でカードを評価しているのかまで確認すると、鑑定品を見る楽しみ方も広がるでしょう。