⑧PSA・ARS鑑定品の保管方法は?ケースの傷・湿気・紫外線対策を解説
PSAやARSの鑑定品は、カードが専用ホルダーに封入されているため、未鑑定のカードよりも保管しやすいと感じる方も多いと思います。
実際に、鑑定ホルダーはカードをキズや汚れなどから守る役割があります。
ただし、「ケースに入っているから何も気にしなくていい」わけではありません。
直射日光や高温多湿の場所に長期間置いていれば、カードやホルダーに影響が出る可能性があります。また、カード自体は無事でも、ホルダーの表面に細かなキズが増えてしまうこともあります。
今回は、PSA・ARS鑑定品を保管するときに気を付けたい紫外線、湿気、ケースのキズなどについて初心者向けに見ていきます。
- PSA・ARS鑑定品でも保管環境が重要な理由
- PSAとARSの紫外線対策の違い
- 紫外線や直射日光への対策
- 湿気や高温を避ける理由
- 鑑定ホルダーのキズを防ぐ方法
- 防湿庫や乾燥剤は必要なのか
鑑定ケースに入っていても保管環境は重要
PSA・ARS鑑定品は、カードが硬質の専用ホルダーに封入されています。
そのため、裸のカードをそのまま保管する場合と比べれば、直接カードへ触れたり、物が当たったりするリスクを減らしやすくなります。
PSAでは、ホルダーに紫外線や湿気などからカードを保護する機能があることを案内しています。
ARSについても、公式にホルダーの高い耐衝撃・防塵・防水性能が案内されています。
ただし、防水性能が案内されていても、水没や洪水などを想定して保管してよいという意味ではありません。
一方で、どちらも「どのような環境に置いてもカードが劣化しない」という意味ではありません。
鑑定ホルダーはカードを保護するためのものですが、保管環境そのものを気にしなくてよくなるわけではありません。ケース入りのカードであっても、直射日光、高温多湿、強い衝撃などはできるだけ避けた方がよいでしょう。
PSAとARSでは紫外線対策が違う
PSAとARSでは、ホルダーの紫外線対策について公式に案内されている内容が異なります。
PSA Japanの公式FAQでは、PSAホルダーについて「50%のUVカット機能」があると案内されています。
一方、ARS公式のホルダー説明では、耐衝撃・防塵・防水性能などは案内されていますが、ホルダー単体のUVカット率について具体的な数値は確認できません。
その代わり、ARS公式オンラインストアでは、プロテクトホルダーへ貼り付ける別売りのUVカットフィルムが販売されており、UV-A・UV-Bを99%カットすると案内されています。
| 対象 | 公式の記載 | 公式案内 |
|---|---|---|
| PSAホルダー | 50%UVカット | PSA Japan公式FAQで50%のUVカット機能と案内 |
| ARSホルダー単体 | 数値確認できず | 公式ホルダー説明では具体的なUVカット率の数値を確認できない |
| ARS公式UVカットフィルム | UV-A・UV-Bを99%カット | 別売りフィルムでUV-A・UV-Bを99%カット |
ARSについて「ホルダー単体のUVカット率は0%」と断定するのは適切ではありません。現時点で確認できるARS公式情報では、ホルダー単体について具体的なUVカット率が公表されていないためです。
また、PSAの「50%」とARS公式UVカットフィルムの「99%」は、公式ページ上で測定波長や試験条件が同一とは確認できないため、数字だけで単純比較することはできません。
PSAはホルダー仕様を更新しており、2024年には標準サイズのトレーディングカード向け新ホルダーを発表しています。中古市場には旧仕様のホルダーもあるため、現在案内されている性能をすべての年代のPSA鑑定品に一律で当てはめない方がよいでしょう。
ARS公式UVカットフィルムは紫外線吸着型で、直射日光を避けた室内保管の場合でも6か月ごとの交換が推奨されています。
PSAホルダーにUVカット機能があっても、ARSでUVカットフィルムを使用していても、直射日光へ長時間さらしてよいという意味ではありません。長期保管では、そもそも強い日光を当てないことが基本です。
直射日光・紫外線はできるだけ避ける
鑑定品を飾る場合に特に気を付けたいのが日光です。
カードは紙や印刷物でできているため、長期間強い光にさらされれば、色あせなどの変化が起こる可能性があります。
そのため、鑑定品を飾る場合は、窓際など直射日光が長時間当たる場所は避けた方が安心です。
部屋に飾る場合も、窓から少し離れた場所や、直射日光が入りにくい棚・コレクションケースなどを選ぶと管理しやすいと思います。
高温多湿の場所を避ける
次に気を付けたいのが湿気と温度です。
特に日本では、梅雨や夏になると部屋の湿度が高くなることがあります。
ホルダーには保護性能がありますが、カビや変色などの環境劣化が絶対に起こらないわけではありません。
そのため、次のような場所は避けた方がよいでしょう。
- 湿気がこもりやすい場所
- 温度が極端に上がる場所
- 結露が発生しやすい場所
例えば、夏場に高温になりやすい車内へ置いたままにしたり、湿気の多い場所へ長期間放置したりする保管方法は向いていません。
重要なのは、特定の湿度の数字だけを気にすることではなく、高温多湿や急激な温度変化をできるだけ避け、安定した環境で保管することです。普段生活している部屋で問題なく管理できているのであれば、必ずしも特別な設備が必要とは限りません。
防湿庫や乾燥剤は必要?
高額な鑑定品を長期間保管する場合、防湿庫を使っているコレクターもいます。
防湿庫のメリットは、湿度を管理しやすく、カードをまとめて保管できることです。
一方で、PSA・ARS鑑定品を持っているからといって、必ず防湿庫を購入しなければならないわけではありません。
湿気の少ない場所で保管し、直射日光や極端な高温を避けられているのであれば、収納ボックスや棚などで管理する方法もあります。
乾燥剤を収納ケースへ入れて湿気対策をする方法もあります。
ただし、乾燥剤を一度入れたら何年もそのままでよいわけではありません。使用する場合は、交換時期なども確認しておいた方がよいでしょう。
防湿庫は「あれば必ずカードが安全になるもの」というより、保管環境を管理しやすくするための選択肢の一つです。カードの価格や保有枚数、部屋の湿気の状態などを考えて、必要に応じて選ぶとよいと思います。
カードだけでなく鑑定ケースのキズにも注意
PSAやARSの鑑定品では、カード本体だけでなくホルダーの状態も気になるところです。
カードがケースに守られていても、ケースそのものは外部に露出しています。
そのため、鑑定品同士をそのまま重ねたり、硬い物と擦れたりすると、ホルダー表面に細かなキズが付くことがあります。
PSAでは、ホルダー表面の擦れや細かなキズなどを理由としたリホルダーサービスが用意されています。
せっかくきれいな鑑定品を購入したのであれば、ケースもできるだけきれいな状態で保管したいところです。
ケース表面のキズが気になる場合は、PSA・ARSホルダー用の保護袋やスリーブへ入れて保管する方法があります。
ホルダー用の保護袋は、カード本体のグレードを守るためというより、外側の鑑定ケースを擦れや細かなキズから守るためのものと考えると分かりやすいでしょう。特に複数の鑑定品を同じ箱へ収納する場合は、ケース同士が直接擦れにくくなります。
ホルダーが汚れたらどうする?
鑑定ホルダーは、触っているうちに指紋や埃が付くことがあります。
軽い埃や指紋であれば、ホルダー表面を傷付けないように優しく手入れすることが大切です。
強く擦ったり、研磨剤などを使ったりすると、かえって表面にキズが付いてしまう可能性があります。
また、ケースにひび割れなどの大きな破損がある場合は、自分でケースを開けて直そうとしない方がよいでしょう。
PSAには鑑定済みカードを新しいホルダーへ交換するリホルダーサービスがあります。
PSAだけでなく、ARSにも公式のリホルダーサービスがあります。ホルダーにスレや曇りなどが生じた場合は、自分で開封せず、各社の公式リホルダーサービスを確認しましょう。
飾るカードと長期保管するカードを分ける方法もある
すべての鑑定品を同じ方法で保管する必要はありません。
お気に入りのカードは部屋に飾り、特に高額なカードや長期間保管したいカードは収納ボックスや防湿庫へ入れるという方法もあります。
飾る場合は、できるだけ直射日光が当たらず、落下しにくい場所を選びます。
長期保管する場合は、湿気や埃がたまりにくく、頻繁に物を出し入れしない場所の方が管理しやすいでしょう。
また、カードをどこへ保管したのか分からなくならないように、枚数が増えてきたら収納場所をある程度決めておくのも便利です。
ARSの鑑定書も一緒に保管する
ARS鑑定品には、鑑定書が付いている場合があります。
鑑定書も紙でできているため、折れや汚れ、湿気などには注意したいところです。
カードのホルダーだけを大切にして、鑑定書を裸のまま収納箱へ入れてしまうと、鑑定書の方に折れや擦れが付く可能性があります。
鑑定書がある場合は、鑑定品と一緒に管理しつつ、折れたり汚れたりしにくい状態で保管するとよいでしょう。
売却するときに鑑定書の有無を確認しやすくなるという点でも、カードと鑑定書の保管場所を決めておくと管理しやすいと思います。
PSA・ARS鑑定品の保管で覚えておきたいこと
- 鑑定ホルダーに入っていても保管環境は重要
- PSAホルダーは公式に50%のUVカット機能が案内されている
- ARSホルダー単体のUVカット率は公式の具体的な数値を確認できない
- ARS公式UVカットフィルムはUV-A・UV-Bを99%カット
- PSAの50%とARSフィルムの99%は数字だけで単純比較できない
- PSAホルダーは年代によって仕様が異なる場合がある
- 直射日光や高温多湿、結露しやすい場所を避ける
- ホルダー同士の擦れにも注意する
- 必要に応じてホルダー用の保護袋を使用する
- 防湿庫は必須ではなく、保管環境に応じて選ぶ
- ホルダーが破損しても自分で開封しない
- ARSの鑑定書がある場合は鑑定書も大切に保管する